報道資料
平成15年5月1日
財団法人ニューメディア開発協会

非接触ICカード普及センターの設立
=住民基本台帳カードを含む非接触ICカードの普及推進母体として=


 財団法人ニューメディア開発協会(会長:森下洋一)は、非接触ICカードの普及を推進するために、平成15年5月1日付で非接触ICカード普及センターを設立しました。

このセンターは、当協会において長年にわたり開発実証してきた公的分野を中心とするICカード関連技術成果の中で、非接触ICカードの成果を基に、住民基本台帳カードを含む非接触ICカードシステムの普及をさらに加速させるための組織であり、非接触ICカードの発行、ICカード/リーダライタ間の互換性検証、各種技術コンサルティングなどを、継続的な業務として実施します。


(1)背景
 住民基本台帳カードは、本年8月以降、市町村から住民の希望により配布される予定であり、住基ネットサービスのみならず、公的個人認証サービス、市町村独自利用サービスなどのための、個人が利用するICカードとして普及が期待されています。
 さらに、e-Japan重点計画に基づく政府における電子申請システムが本格稼働の時期を迎え、政府などへの電子申請手続きにおける秘密鍵の格納媒体としてICカードの必要性が高まっており、法人などが電子申請の際に利用するICカードの普及も期待されています。

(2)非接触ICカード普及センターの設立
 当協会は、新世代ICカードの開発、IT装備都市研究事業などの長年にわたるICカードに関する開発実証事業を通じて、次世代のICカードである非接触ICカードの技術的蓄積を行ってきました。このことは国内のみならず、国際的にも高く評価されています。また、汎用電子申請システムの開発を通じて、ICカードと電子申請システムとの間の仕様についても十分な知見を有しています。
 そこで、非接触ICカードシステムの普及をさらに加速させ、わが国がICカード分野において主導的立場に立てるようにするため、平成15年5月1日付で「非接触ICカード普及センター」(略称:CLIC、Contact-Less IC card deployment center)を設立しました。このセンターは、国内のカードメーカー、リーダライタメーカー、カード発行機メーカーなどの協力の下で運営されます。

(3)業務内容
  1. 非接触ICカード発行業務
    市町村、法人、個人からの委託により、国際規格に準拠した非接触ICカードの発行業務を行います。

    住民基本台帳カードについては、委託発行を希望する市町村を対象とし、当センターが用意するメニューの中から市町村が選択したカードを発行しますが、市町村独自デザインのカード発行も受託します。発行カードは、TypeIカードおよびTypeIIカードのどちらも受託します。(TypeIおよびTypeIIコンビ型ICカードを含みます。但し、発行作業は、非接触インタフェースからとします。)

    政府などへの電子申請における電子署名の際に必要とするICカードについても、電子申請システムとのインタフェース標準に基づき、法人や個人からの依頼により発行業務を行います。

  2. 互換性検証業務
    非接触ICカードや非接触リーダライタなどのICカードシステムの構成機器に関するハードウェア、ソフトウェア両面からの互換性検証を開発企業からの依頼に応じて実施し、互換性が認定された製品について公表、ロゴ提供、シール発行などを実施します。

  3. 技術コンサルティング業務
    標準仕様の普及活動、地方公共団体などへの技術コンサルティング、コールセンターによる対応などを行います。
(4)問い合わせ・連絡先
(財)ニューメディア開発協会
  非接触ICカード普及センター 担当:山崎、林
 Tel:03-5418-5120(直通)、03-3457-0672(代表)
 電子メール:mail
 URL:http://www.nmda.or.jp/clic/index.html



財団法人ニューメディア開発協会とは
 経済産業省の認可団体であり、ニューメディアブームの先駆けとなったHi-OVIS Projectを実施するために、1972年に設立されました。これまで、ICカードの開発実証に加えて、地域情報化、都市情報化、メロウ・福祉情報化などを推進しています。
 最近は、経済産業省への申請業務における手続きをインターネット経由で行えるようにするための「汎用電子申請システム」の開発や、全国21地域において「次世代ICカード」を120万枚以上配布して、ICカードの公的利用や民間利用を促進する「IT装備都市研究事業」のような大規模プロジェクトを実施しています。

ICカードとは
 キャッシュカードやクレジットカードと同じ寸法・厚さ(縦54.0mm×横85.7mm×厚さ0.76mm/国際規格では、ID-1型カードと呼ぶ)のカードに、処理や記録機能を行うために設計された集積回路(IC)チップを内蔵するカードの総称です。
 ICカードには、大別してICと外部機器との間を電気的に接続する伝導端子を有する「外部端子付ICカード」と、伝導端子を持たずに電磁波で交信する「非接触ICカード」(JISでは、外部端子なしICカードと規定)の2種類があります。
 住民基本台帳カードとしては、非接触ICカード、または非接触ICカードに外部端子が追加されたICカード(コンビ型ICカード)のどちらかで、セキュリティを強化するためにCPUを搭載し、暗号処理機能(例:RSA暗号、鍵長1024bit)を備えているものが用いられます。

非接触ICカードとは
 非接触カードには、交信距離により密着型(3mm以下)、近接型(10cm以下)、近傍型(70cm以下)の3種類があります。
 さらに、近接型ICカードには「電波出力と信号インタフェース」の処理が異なるタイプA、B、Cがあり、2000年7月にタイプAおよびBが国際規格に制定されています。住民基本台帳カードは、国際規格に制定され、記録データの安全性や多目的利用に優れた近接型ICカードのタイプBを採用しています。一方、交通系の日本鉄道サイバネティクス協議会では、処理速度を重視して高速処理に適したタイプCを採用しています。(国際規格化作業において、タイプCを追補にすべく検討中です。)

ICカードの発行とは
 ICカード発行業務には、大別して「カード製造者」が行う一次発行と、「カード発行者」が個人データを書き込む二次発行があります。この2つを総合して、カード発行と称しています。当センターでは、主として二次発行を行います。
 一次発行データにはメモリ領域の設定や、利用業務毎の共通管理要素(例えばパスワードの桁数、暗号処理方式など)があります。多目的利用の場合は、加えて利用業務そのものを書き込み、カード発行者に納入します。いずれの場合でも、輸送途上の紛失や盗難からカードを守るために輸送鍵を設定して、解除しない限り、個人データの書き込みはできない防御策をとっています。

互換性検証とは
 現在、近接型ICカード用チップの製造企業は5社、これらのチップに基本動作用のOS(カードの暗号処理プログラムを含む)を搭載してカードを製造する企業が7社、さらにこれらのカードと接続機器とのインタフェースを持つリーダライタの製造企業が9社あります。いずれも、カードおよび機器の開発仕様は、国際規格に準拠しています。
 しかし、国際規格では伝送プロトコルやノイズ処理などで詳細な仕様書までは規定されていませんので、当協会が、中立的な立場から「統一仕様書」を作成すると共に、各社の製品を相互に組み合わせた「互換性テスト」を行い、動作を検証します。

TypeIカードとTypeIIカードとは
 住民基本台帳カードには、TypeIカードとTypeIIカードの2種類があります。記載データの防御などの安全性に差異はありませんが、条例で規定された市町村独自利用サービスのための「メモリの空き領域」への登録および運用管理が異なります。
 TypeIカードでは、カード発行者(市町村または委託先事業者)が、市町村独自利用サービスを空き領域に書き込みます。これに対しTypeIIカードでは、主として市町村が認定したサービス提供者が空き領域に書き込みます。


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