近江町市場は武蔵ケ辻の一角にあり、下近江町、上近江町、青 草町、下堤町、下松原町、十間町と６つの町からなる。歴史は古 く、約２７０年余りである。１万９０００平方メ−トルの敷地に １８１の店がところ狭しと軒を並べている。 　夕方近くにはもちろん、昼間から多数の客と威勢のいい声が飛 び交う。交渉次第では値段を安くしてくれることもあり、その駆 け引きもおもしろい。 　買い物をしてお腹がすいたら、近江町食堂へ。市場の新鮮な物 がすぐ食べられる。朝から酒を飲む人もいて家庭的な雰囲気に包 まれている。市場のど真ん中に寿司屋“源平”もある。近江町市 場ならではの新鮮なネタが自慢で料金が表示されているので安心 して注文でき、北陸の味を満喫できる。見どころ、食べどころが いっぱいだ。 　明治２２年（１８８９年）に市制が施行され、大平洋戦争では 戦火を免れ、今日では４４万の人口の中都市となった金沢の駅前 である。 　大学は十指にのぼり、美術工芸作家も各分野で活躍している。 　駅前に建つ杜若（かきつばた）の像は時の流れを静かに見つめ ている。