平成25年度
「プライバシーに配慮し安全・安心に資する監視カメラシステムの開発評価」の公募についてのご案内

平成25年6月7日
一般財団法人ニューメディア開発協会

  一般財団法人ニューメディア開発協会(以下「協会」という)では、公益財団法人JKAの自転車等機械工業振興補助事業の補助金を受け、平成25年度事業として「プライバシーに配慮し安全・安心に資する監視カメラシステムの開発評価」を行うことになりました。ついては、以下の要領にて、本事業に係る実証試験装置プログラム開発事業者および実証実験作業事業者を公募致します。

1.公募内容

(1)背景及び内容

 近年、監視カメラ(防犯カメラ)(注1)が街のいたるところに設置されるようになってきている。監視カメラが犯人捜査や犯罪の抑止など、安全・安心面の効果があるということについては一定の理解が得られているものの、その一方では自身の姿や行動が意識しないところで撮影・保管され、その映像が第三者に見られてしまう可能性があり、それがプライバシー侵害の問題となりえることが指摘されている(注2)。
 この問題の一つの解決策として、監視カメラで撮影された映像(記録・保管されている映像)が、ある権限を持った人(犯人捜査を担当している人等)だけにしか、また保管されている映像中の必要なフレーム(注3)だけ、例えば捜査対象者や被害者等の捜査のために必要な人が写っているフレームだけしか閲覧できない監視カメラシステムを開発することで、先のプライバシー侵害に対する問題が一定度合い解消されると想定した。
 本事業は監視カメラで撮影した映像をフレーム毎に暗号化処理し、その暗号を解く鍵に映像に写っている人物の顔特徴情報を用いることで、暗号化され蓄積されている映像情報の中から、ある人物(捜査対象となっている人物等)の顔特徴データに合致する人物が写っているフレームだけを閲覧することができる監視カメラシステムを開発する。その実証試験により、期待される運用が行えるかの評価、および監視カメラに写される側の人にとってプライバシー保護に対する理解が得られるかどうかの評価を行うものである。
 (注1)「監視カメラ」と「防犯カメラ」の違いとして、監視カメラでは録画機能は必須ではないが、防犯カメラでは必須とするという区分もあるが、本事業で扱う監視カメラは録画機能付きのものとしている。
 (注2)「監視カメラとプライバシー」西原 博史(成文堂、2009年)
    「防犯カメラの規制」末井 誠史(レファレンス 2010年7月)
     http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/pdf/071401.pdf
   など
 (注3)動画を構成する静止画1枚分(1コマ)のこと。

(2)事業内容


 本事業は、監視カメラによるプライバシー侵害の問題を、ア)捜査等のために必要な映像部分(フレーム)しか見られないようにした「プライバシーに配慮した監視カメラシステム」の実証試験装置を開発する、イ)開発した「プライバシーに配慮した監視カメラシステム」の実証試験装置により実証試験を行う、ウ)アンケートにより監視カメラによるプライバシー侵害の問題に関し、広く一般の人の意識を調査する、ことからなる。ただし、ウ)のアンケート調査は当協会より別途発注するため、本公募の範囲には含めない。

(ア)「プライバシーに配慮した監視カメラシステム」の実証試験装置開発
 以下を実現する実証試験装置のプログラムを開発する。装置に必要なハードウェア製品および汎用ソフトウェア製品は応募社において適切なものを採用すること。
    @監視カメラ(ビデオカメラ)が撮影した映像に人物が写っている時、その人物の顔特徴情報を抽出する。
    A監視カメラ(ビデオカメラ)が撮影した映像情報をフレーム毎に暗号化処理する。その暗号を解く鍵としては@で抽出した顔特徴情報を使う。
     (人物が写っていないフレーム、もしくは人物が写っていても顔特徴情報が抽出できなかったフレームは別に定めた暗号鍵で暗号化することとする)
    B上記Aにて暗号化処理された映像情報を記録装置に順次保管する。
    C別途用意されたある人物の顔特徴情報から、その顔特徴情報を持つ人物(正確には用意された顔特徴情報に類似した顔特徴情報を持つ人物)
      が保管されている映像情報の中に存在すれば、その人物が写っているフレームの暗号を解くことができ、そのフレームを閲覧できる。
    D同様に、用意された顔特徴情報が保管されている映像情報に存在していない人物のものである場合は、暗号が解かれず映像(フレーム)を閲覧することができない。
    Eただし、CおよびDは顔特徴情報の抽出精度や二つの顔特徴情報から同一人物であるかどうかを判別する方式および判別の閾値とも係っているため、一定の誤り、すなわち用意された顔特徴情報の人物が
     保管された映像情報中に存在するにも係らず暗号が解かれないケースや、別の人物が写っているフレームの暗号を解いてしまうケースも発生すると想定している。その発生率は実証試験で評価する。

(イ)「プライバシーに配慮した監視カメラシステム」の実証試験装置による実証実験
  上記ア)にて開発された実証試験装置を用いて、以下の確認・評価を行う。 
    @ビデオカメラで撮影した映像情報をリアルタイムに暗号化し記録装置に保管できる
    A別途用意されたある人物の顔写真もしくは映像を元に、その人物の映像が保管されている映像情報の中に存在する場合、その個所(フレーム)を閲覧することができ、保管されている映像情報の中に存在しない場合は閲覧することができない。
    Bただし、前記Aは ア)実証試験装置開発の要件に記載したとおり、一定の誤りが存在すると想定している。実環境を考慮した条件で、他人を対象者と間違えてしまう率、対象者を他人と間違えてしまう率のそれぞれを、
     複数の被験者に対し、かつ(本人判定のための)閾値を変えて測定し評価する。
    C上記A、Bの実験を通して、被験者に本実証試験装置による仕組みで監視カメラによるプライバシー侵害の印象が変化するかどうかの意見を聞き、被験者の観点からの評価を行う。

(ウ)アンケート調査(本公募の対象外であるが参考として記載)
  広く一般の人を対象に、監視カメラによるプライバシー侵害に関する意識を聞くと共に、本実証試験装置のような仕組みで監視している場合、プライバシー侵害の印象が変化するかどうかの意見を収集する。

2.応募要件

(1)応募者の資格

  • 法人格を有する民間事業者又は団体、もしくは民間事業者又は団体が代表幹事団体であるコンソーシアム。
  • 本研究開発事業の遂行に必要な本研究開発テーマについての専門性及び知見を有し、開発・調査実績、関連知識、組織、人員等を有していること。被災地における復旧・復興業務の経験者が望ましい。
  • 実証試験装置開発と実証実験はそれぞれ別法人が行っても良いが、その場合もコンソーシアムを組むなどして、代表1社がまとめて提案すること。
  • コンソーシアムの場合は、代表幹事団体は法人格を有すること。

(2)契約内容及び条件

  • 契約形態は、請負(実証試験装置開発)および委託(実証実験)となり、1件採択する予定である。
  • 個々の事業費は実証試験装置開発は300万円、実証実験は250万円を上限とする。
  • コンソーシアムの場合は、代表幹事団体が全体をまとめて提案すること。
  • 本事業は(公財)JKAの補助事業である。
  • 契約金額の詳細については採択後に調整する。
  • 本事業の実施期間は、契約締結日から平成26年3月末日までとする。但し、本事業の成果物は、平成26年3月20日までに提出し、当該内容の確認を得ることとする。
  • 実証試験装置に係る成果物は開発したプログラムの仕様書(2部)およびその電子媒体(2部、1部はpdfファイル)、プログラムを格納した電子媒体(2部)、実証試験に係わる成果物は実証実験報告書(2部)およびその電子媒体(2部、1部はpdfファイル)とする。

3.応募方法、提出書類等

(1)公募期間

平成25年6月7日(金)〜平成25年6月14日(金) 17時必着まで

(2)提出書類

次に示す申請書類を提出してください。

  1. 応募申請書(様式1) 1部
     
  2. 開発評価計画書(自由様式:A4) 1部
    開発評価計画書は次の内容を記載してください。
     
    • 実施計画
       
      本開発評価を実施するに当たっての前提条件、本開発評価の具体的な内容、方法及び手順を記述してください。
    • 実施体制  
      本開発評価を実施するに当たっての前提条件、本開発評価の具体的な内容、方法及び手順を記述してください。
    • 実施スケジュール
      本開発評価を実施するに当たってのスケジュールを記述してください。 
    • 必要経費総額・内訳
       
  3. 会社概要書(会社案内等)(自由様式) 1部
    会社の概要がわかるもの、パンフレットでも可。
     
  4. 最近3ヵ年の決算報告書(自由様式) 1部
    損益計算書及び貸借対照表、もしくは有価証券報告書
     
  5. 切手貼付された返信用封筒(採択結果通知用) 1部
    返信先の住所、氏名等を明記してください。

(3)提出先

  〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町3番2号  リブラビル
    一般財団法人ニューメディア開発協会 新情報技術企画グループ 長澤宛

(4)提出にあたっての注意事項

  • 協会宛の提出は郵送または宅配便又は持参とし、FAX、電子メールによる提出は認めません。
  • 封筒には「プライバシーに配慮し安全・安心に資する監視カメラシステムの開発評価」と朱書してください。

4.審査、その他

  • 採択者は、提出書類に基づく審査(必要に応じてヒアリング)を行い、決定する。なお、詳細説明等の資料を求めることがある。
  • 提出書類は、採択先の選定のみに使用し、他の目的には使用しない。
  • 提出書類等は、審査結果に関わらず返却しない。
  • 本事業で得られた工業所有権及び著作権は、当協会に帰属するものとする。
  • 申請者に対して、当事業で得られた著作権の使用・複製・改編等の権利を許諾する。
  • 本事業成果の普及のため、当協会が発行する研究成果レポートへの掲載、ホームページでの情報公開、成果報告会での発表等への協力をお願いすることがある。
  • 本事業は、公益財団法人JKAの補助事業として実施するものであり、当該財団の規則等に沿った表示等が求められる。

5.問合せ先

一般財団法人ニューメディア開発協会 新情報技術企画グループ
担当 長澤
tel03-6892-5032 fax03-6892-5029

この事業は競輪の補助金を受けて実施するものです。


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