Hi-OVIS プロジェクトとは


 Hi-OVIS(Highly-interactive Optical Visual Information Systemの略)プロジェクトは、通商産業省の未来志向の事業として、奈良県東生駒を実験フィールドとして、家庭や公共施設と実験センター間に光ファイバーを敷設し双方向の映像利用実験を行うというプロジェクトであり、1978年から1986年まで実施されました。このプロジェクトを実施するために、財団法人映像情報システム開発協会が設立されました。

 Hi-OVISは、世界で初めて大規模な光通信技術を取り入れた完全双方向機能を持った映像情報システムであり、極めて高い関心を集めました。実験サイトには昭和天皇のご来訪があり、国内外からの3万5千人もの見学者が訪れました。

 ニュ-メディアという言葉すらなかった時期に、東生駒を実験の舞台に開始されたHi-OVISプロジェクトは、近未来の大規模有線都市のパイオニアとしての役割を十分に果たしました。そこで実現されたコミュニティは、未来学者アルビン・トフラーの有名な著書「第三の波、The Third Wave (1980)」で未来社会の一例として紹介されています。

 Hi-OVISでは、双方向TV、ビデオオンデマンド、ホームショッピング、ホームセキュリティなど、種々のサービスが実験的に運用されました。現在、コンピュータ技術・ネットワーク技術の発展・普及が著しく、それらを活用したサービスが普及していますが、30年以上前にこのプロジェクトで実験された内容と比べてサービス自体に大きな進展は見られません。このプロジェクトの成果が温故知新の一助となれば幸いです。

 Hi-OVISプロジェクト総合報告(要約)はこちら。

東生駒の実験センター外観
Photo of the center

双方向番組の参加モニター家庭
Photo of a monitor's home


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