富山県山田村地域情報化ネットワークシステム開発・実験

◆システム概要

富山県山田村地域情報化ネットワークシステムイメージ図

 「地域コミュニティーネットワーク」のポイントは、Web上でパソコン弱者が自分のスキルに合った3段階の操作イメージで簡単に使用できるGUI(グラフィックユーザインターフェース)の開発である。これにより誰にでも自在に、自分のスキルの中で効率的な情報の作成・受発信・情報収集などのネットワークコミュニケーションが活用できる。
 「電脳まちおこし山田村」は山田村と全国の都市と農村地域を結ぶ全国初の人材交流型のまちおこし(エクストラネット)である。「サイバーまちおこし」をテーマに、人材育成と地域を越えた人と地域の交流、まちおこし村の構築を目標とする。
 「クライアント/サーバ管理監視システム」は、従来情報システムの知識保有もしくは、システムエンジニアの派遣が前提となっていた、ネットワーク運用に伴うサーバ管理を、村民及び村の学生自身で運用可能なものとするため、運用管理技能習得に有用なクライアント/サーバ管理監視システムの開発を行い、新しい情報化時代への人材育成と村民としてのアイデンティティの確立を目指す。



◆事業計画
 山田村における地域情報化推進事業は、「地域情報交流拠点施設整備モデル事業」から開始され、村民へのパソコンの普及、利用促進に取り組んできた。
 本事業により、地域情報化ネットワークが構築でき、村内では“心おこし(挑戦への意欲向上)”ということで、パソコンリーダや、ボランティアを活発化させる活動を進めている。また、村外に対しては、バーチャル電脳山田村を通じた、まちづくり塾やバーチャル住民の募集など、バーチャルおよびリアル(実際)の交流を促進するとともに、情報センターの体制づくり、関係機関との連携を図り、地域ネットワークから広域ネットワークへの事業の拡充を進めている。


◆開発の背景・目的
 山田村は、パソコン導入によるまちおこしにより、県支援の「電脳山田村塾」やNPO、6万人を超える山田村ファンの支援を得ている。
 しかしながら、パソコンの操作性の難しさに加え、支援者との交流の場も少なく、資源活用への課題を抱えている。全国に先駆けたサイバーコミュニティー創出の可能性を拡大させ波及させるためにも、「人と地域にやさしい生活空間創造型交流ネットワーク」の創出が必要とされている。


◆システム開発・システムの特徴
 本システムは、「地域で作り上げ」「拡張性が高く」「ハードメーカに左右されない」ことが大きな特徴である。
このことは、周辺隣接市町村への拡大の可能性や、その他の自治体における固有のニーズに対応する各種ネットワーク(産業、教育、ボランティア、健康福祉、防災等)を組み合わせられるなど、商品化可能な汎用性や商品価値を十分有すると思われる。


◆開発内容
 ●地域コミュニティーネットワーク機能
 ●電脳まちおこし山田村機能
 ●クライアント/サーバ管理監視機能


◆システム検証
 ●地域コミュニティーネットワーク機能導入効果の検証
 ●電脳まちおこし山田村機能導入効果の検証
 ●クライアント/サーバ管理監視機能導入効果の検証


◆今後の展開/普及計画
 本システム開発における広域交流型エクストラネットシステム「電脳まちおこし山田村」は、Webアプリケーションの開発技術をベースとして用いるため、特定のOSやプラットフォームに依存せず、基本的にWeb環境があればどこでも実現できるため、その利用範囲は幅広い。
 また操作性においても従来であれば、パソコンリテラシーの低い人々の間では、使いこなすことが難しかったものも、ユーザーフレンドリーなGUIを用いることにより、充分に使いこなすことが可能であると考えられる。このことは、高齢者の比率が高い中山間や過疎地での運用を考える上で非常に重要である。
 クライアント/サーバ管理監視システムについては、学校側等の協力も得て、クラブ活動担任者と普及のためのカリキュラムを作成し実行するための支援を行う。

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