非接触ICカード普及センター/用語解説

ICカード

 キャッシュカードやクレジットカードと同じ寸法・厚さ(縦54.0mm×横85.7mm×厚さ0.76mm/国際規格では、ID-1型カードと呼ぶ)のカードに、処理や記録機能を行うために設計された集積回路(IC)チップを内蔵するカードの総称です。
 ICカードには、大別してICと外部機器との間を電気的に接続する伝導端子を有する「外部端子付ICカード」と、伝導端子を持たずに電磁波で交信する「非接触ICカード」(JISでは、外部端子なしICカードと規定)の2種類があります。
 住民基本台帳カードとしては、非接触ICカード、または非接触ICカードに外部端子が追加されたICカード(コンビ型ICカード)のどちらかで、セキュリティを強化するためにCPUを搭載し、暗号処理機能(例:RSA暗号、鍵長1024bit)を備えているものが用いられます。

非接触ICカード

 非接触カードには、交信距離により密着型(3mm以下)、近接型(10cm以下)、近傍型(70cm以下)の3種類があります。
 さらに、近接型ICカードには「電波出力と信号インタフェース」の処理が異なるタイプA、B、Cがあり、2000年7月にタイプAおよびBが国際規格に制定されています。住民基本台帳カードは、国際規格に制定され、記録データの安全性や多目的利用に優れた近接型ICカードのタイプBを採用しています。一方、交通系の日本鉄道サイバネティクス協議会では、処理速度を重視して高速処理に適したタイプCを採用しています。(国際規格化作業において、タイプCを追補にすべく検討中です。)

ICカードの発行

 ICカード発行業務には、大別して「カード製造者」が行う一次発行と、「カード発行者」が個人データを書き込む二次発行があります。この2つを総合して、カード発行と称しています。当センターでは、主として二次発行を行います。
 一次発行データにはメモリ領域の設定や、利用業務毎の共通管理要素(例えばパスワードの桁数、暗号処理方式など)があります。多目的利用の場合は、加えて利用業務そのものを書き込み、カード発行者に納入します。いずれの場合でも、輸送途上の紛失や盗難からカードを守るために輸送鍵を設定して、解除しない限り、個人データの書き込みはできない防御策をとっています。

互換性検証

 国際規格では伝送プロトコルやノイズ処理などで詳細な仕様書までは規定されていませんので、当協会が、中立的な立場から「統一仕様書」を作成すると共に、各社の製品を相互に組み合わせた「互換性テスト」を行い、動作を検証します。

TypeIカードとTypeIIカード

 住民基本台帳カードには、TypeIカードとTypeIIカードの2種類があります。記載データの防御などの安全性に差異はありませんが、条例で規定された市町村独自利用サービスのための「メモリの空き領域」への登録および運用管理が異なります。
 TypeIカードでは、カード発行者(市町村または委託先事業者)が、市町村独自利用サービスを空き領域に書き込みます。これに対しTypeIIカードでは、主として市町村が認定したサービス提供者が空き領域に書き込みます。





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