電子公証システムによるオープンマーケット
等の創出のための実証実験


1.電子公証センタ

【電子公証センタの定義】
 公的機関あるいは、それに準じる組織によって運営される電子情報の管理システムであり、ユーザが登録した文書などの電子情報を、その内容が、改竄、削除、追加される等の恐れのない保存方法、形態、媒体等で一定期間保存し、ユーザからその内容の証明を求められた時に証明行為を行う社会システム/情報システムである。
【電子公証センタの基本的考え方】
 ・信頼性の高いネットワーク通信を実現するために、転送するデータを暗号化。
 ・個人を特定するために、ICカード等を使った暗号化した個人認証番号および個人認証番号を使わない電子サインによる個人認証を実施。
 ・データ改竄の回避および堅確な電子データの保管を行うための電子公証センタの実現。
【電子公証システムの機能】
 ・基本機能
  −登録       新規に文書の登録を受け付ける。
  −連名登録     複数人の連名による登録を受け付ける。
  −照会       登録情報を利用者に提供する。
  −検索       登録日時、登録者等をキーとする検索を支援。
 ・ 拡張機能
  −配達       電子公証センタ経由で第3者に電子メールを配送する。
  −更新       既に登録済みの文書に新たな文書で置き換える。
  −調印       既に登録済みの文書に、内容に同意する電子印鑑の押印を受け付ける。
 ・ユーザ管理機能
  −印鑑発行     電子印鑑を新たに発行する。
  −印鑑紛失届出受付 電子印鑑を紛失した場合、以降の電子印鑑の使用を無効にする。
  −印鑑再発行    紛失した電子印鑑に対し、電子印鑑を再発行する。

2.日本行政書士連合会

 行政機関窓口への届出書類をネットワークを通じて電子的に行う実証実験。法制度上の解決しなければならない事項について解への検討する。

3.情報処理技術者試験/パーソナルコンピュータ利用技術者試験

 情報処理技術者試験やパーソナルコンピュータ利用技術者試験の受験申込をネットワークを使って受理するシステムを実証実験。公証センタは、間違えなく申込を行った事を公証する。

4.無店舗販売

 コンビニエンス・ストア、書店、美容室等に設置する無店舗販売端末からの購入に対して、その商行為があった事実を公証する。特に、現金で購入し購入物件が後で届く場合、消費者保護のための仕掛けとして実証実験する。

5.電子出版

 既に出版されている書籍または本実証実験を前提に電子化する(HTML化された)書籍を電子出版する。また、著作権の処理方法についても実証実験する。

6.古書販売

 レア・ブックと呼ばれる稀少本の世界市場の中心は神田神保町にある。世界の古本業者組合員は、約1、700社におよび、また、日本を研究対象としている団体は約4、000団体ある。従って、神田神保町が対象とする顧客は世界規模で約5、700社(団体)である。この特定多数を対象としたネットワークを使った販売システムを実証実験する。

7.法制度問題など検討

 ・法制度上の問題検討
  既に、利用が始まっているエレクトロニック・コマースではあるが、今後推進するためには、法律または制度上解決を図る必要がある問題点がある。広く問題点を洗い出し、問題点毎に開発方法を検討する。
 ・海外状況の調査
  インターネットをベースとする技術については、米国に一日の長がある。また、電子決済に係わる技術およびシステム化については、欧州で先進的な試みが既に行われている。これらを調査し、当実証実験の検証項目に編入し効果的な実証実験を目指す。



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