ENC電子ネットワーク協議会の活動報告
    平成11年度実施事業の一部と平成12年度の事業計画

◆平成11年度実施事業の紹介(部分)◆

1.基本問題分科会
 インターネットを取り巻く諸問題、例えば「ハイテク犯罪」・「不正アクセス禁止法」・「消費者契約法」等の諸法制について、外務省・通産省・法務省・警察庁等諸官庁に協力し、それらの検討を行った。いわゆる「コンピュータ西暦2000年問題」に関する年末年始に向けた準備について、通産省コンピュータ西暦2000年問題対策推進室・日本電子工業振興協会・情報サービス産業協会と共に、ISP関連事業を営む会員企業に対し、年末年始の情報収集等に協力した。「インターネットを利用する子供のためのルールとマナー集」を分科会内で検討・作成し、平成11年12月報道発表した。
 海外活動としては、平成12年5月に仏国に於いて開催される「G8ハイテク犯罪サブグループ・産業界と政府側との合同会合」に参画のための準備を行った。

2.著作権問題分科会
 平成3年9月より継続している日本音楽著作権協会(JASRAC)との「音楽著作権に関する実験」を継続し、平成11年3月末時点での実験データについて、平成11年10月にJASRACに報告した。平成9年9月より「ネットワーク音楽著作権連絡協議会(NMRC)」に参画し、参加諸団体と共にJASRACとの定期協議会を開催し、平成12年3月に「インタラクティブ配信による管理著作物の有料利用に関する暫定合意書」について、平成12年9月末日まで延長することに合意した。さらに「インタラククティブ配信のうち無料利用に関する使用料」について継続交渉中である。特に、無料利用については当協議会が事務局となり、文化庁・郵政省・通産省にも呼びかけ「無料勉強会」を開催した。

3.電子ネットワーク技術委員会
 平成10年度に引き続き、斎藤信男委員長の指導を得て、W3C(WorldWidWebConsortium)に関連した活動を行った。平成11年度からICRA(InternetContentRatingAssociation)<インターネット・コンテンツの格付け基準を開発するための国際組織>へ創設メンバとして加入した。その関連として本委員会において、「次世代HTMLであるXHTMLにおけるモバイル用ブラウザについて」・「電子認証システムとその動向」・「iモードとWAPフォーラムについて」等のテーマについて講演会を開催した。
 平成11年4月「インターネットにおける次世代レイティング/フィルタリングシステムの運用開始」を報道発表した。平成11年6月「インターネットにおけるプライバシー情報管理システムP31」を報道発表した。

4.電子ネットワーク調査・サービス委員会
 平成10年度までの調査に加え、企業・学校・官公ネット利用概数も推計した調査を実施し「平成11年度『電子ネットワーク実態調査』結果」を平成11年10月報道発表した。また、最近増え始めた無料インターネットサービスの動向についても調査し、報告書として取りまとめた。

5.オンラインソフトウエア大賞選考委員会
 平成9年度より、従来の“フリーソフトウエア大賞”から“オンラインソフトウエア(OSP)大賞”に改めている。平成10年度から、前年度総会開催日から次年度総会前日までの1年間を表彰対象選出期間とし、年度当初に選考委員会を開催し、総会当日に表彰することと改めた。平成11年度OSP大賞は平成12年度当初に決定し、平成12年度総会後の懇親会にて表彰する。


◆平成12年度事業計画(部分)◆

1.委員会の開催
(1)企画運営委員会
 電子ネットワーク産業界として解決すべき共通的な問題、協議会の活動内容全体の方向性や進め方について協議し、
解決策を検討する。他団体との統合に向けた準備タスクフォースを設置し、活動内容を検討する。

(2)電子ネットワーク業務委員会
 インターネットを取り巻く諸問題を迅速に解決するために、問い合せ窓口整備の促進等を行うと共に、「インターネットを利用される方のためのルール&マナー(案)」のビジネス版作成、個人情報保護法成立後の対応などの検討を行う。また、社会的責任の観点から検討してきた有害情報/非合法情報に対する「レイティング/フィルタリング機能」についても、ICRA(InternetContentRatingAssociation)などの関係機関と連携しさらなる普及に務める。
 電子ネットワーク上の音楽著作物に関するJASRAC(日本音楽著作権協会)との「音楽著作権に関する実験」を継続すると共に、平成12年度末の終結をめざす。インタラクティブ配信の使用料に関してNMRC(ネットワーク音楽著作権連絡協議会)への参画を継続し、事務局を担当する。さらに、著作権管理事業法成立後の対応策などを検討する。

(3)電子ネットワーク技術委員会
 W3C(WorldWideWebConsortium)で標準化が進められているウェブ技術のうち、技術と社会の分野を取り上げて、メタデータ(RDF、PICS)、プライバシー(P31)、XML署名などの技術標準のわが国における適用を検討する。また、ウェブアクセシビリティのガイドラインについて、モバイルサービスなどの観点からも検討する。インターネットにおけるセキュリティ技術およびその運用の実態把握、本人確認の手段など解決の方向性を検討する。

(4)電子ネットワーク調査・サービス委員会
 プロバイダへのアンケート調査に基づくユーザ数積み上げを特長とする電子ネットワーク実態調査を引き続き実施すると共に、無料インターネットサービスの動向など動向把握に必要とされる調査を実施し、その結果を広く社会に提供する。
 インターネット上の新サービスの調査および事例研究、ビジネスモデル特許などの課題の洗い出しおよび解決の方向性を検討する。

(5)コンファレンス実行委員会
 電子ネットワーキングコンファレンスを開催し、電子ネットワーク利用の普及促進を図る。優秀なオンラインソフトウェアを選出し表彰することにより、優良ソフトウェアのネットワークによる流通を促進する。

2.月例セミナーの開催
 毎月1回程度、会員および協賛自治体などを対象に、電子ネットワークの現状、技術開発動向など、話題性のあるテーマのセミナーを行う。

3.会員および協賛自治体等との情報交換
 上記の他に当協議会の事業活動を通じて、会員や協賛自治体などの親睦を図る

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