メロウ・ソサエティ事業報告

◆シニアネットワークによる市場創造コラボレーション

                  推進本部 部長 メロウ・ソサエティ事業担当 萬矢 富康

1.はじめに

 ここ数年間で、全国に100近いインターネットで結ばれたシニアの団体「シニアネット」が誕生し、いろいろな活動をしております。一般にシニアの方々は人生の多様な経験・スキルを持ち、経済的にも時間的にも余裕のある方も多く、これらの方々がITを手に活動を始めたとき、家庭や個人レベルにおけるIT化への貢献は、計り知れないものがあると思われます。
 今後増加するシニアの方々にITを広く普及するためには、シニアネットが重要な役目を果たします。現在、国をあげてITの有効活用が叫ばれています。そのためにもネットワークを利用する人々の人的環境の整備(教育・サポート体制等)は忘れてはならない重要な課題と言えます。

2.シニアネットワークによる市場創造

 コラボレーションに関する調査研究
 今年度から日本自転車振興会の補助金を得て「シニアネットワークによる市場創造コラボレーションに関する調査研究」がスタートしました。これはシニアネットの活性化を促し、その活動を通してこれからの高齢社会のあり方、IT社会を提案してもらおうとする事業です。
 具体的には、シニアネット間の交流と活動紹介によってお互いが刺激を受け、まだネットそのものが存在しない地域にはその誕生を働きかけます。全国に多くの活発なシニアネットが出来、それらの活動を通じて社会参加、社会改革を行ってもらおうとするものです。それを側面からサポートする役割としてマスコミの支援も得て、シニアネット活動を全国民的認知レベルに高める事も考えています。さらに企業・地域社会との協業関係を確立し、シニアネット活動の幅を広げることも非常に大きな意味があります。これらの事業活動を通して、シニアの意見を吸い上げ提案という形にまとめる予定です。
 この事業のスタートに当たり全国のシニアネットの実体を調査し、シニアネットのホームページを立ち上げました。この中にはお互いの活動紹介や問題点の討論が行える「場」を開設しました。実体調査では約100の団体がリストアップされ、そのうち70近い団体の方が我々のホームページへの参加を約束していただきました。
 1月末に下記のホームページが試行的にオープンしました。今後、シニアの方々の意見を取り入れながら活性化に役立つ情報の提供、社会への各種提言をする「場」に育てていきたいと考えています。
URL http://social.mine.ne.jp/seniornet/

3.「シニアフェステバルin九州」

 前述の活動の一環として、九州ブロックのシニアネットによる久留米市での「シニアフェステバルin九州」が開催されました。(写真1及び2参照)
 「シニアフェステバルin九州」はITに限らないシニアの祭典で、その中の一部にシニアネットの活動の紹介が行われる構成になっていました。俵万智・広兼憲史のトークショー、高木ブーのウクレレから地元のシニアの方々の合唱・太極拳等々がある一方で、シニアネットの方々がインターネットに取り組むデモがありました。IT等全く知ることがなかった多数のシニアが来場され、展示場でインターネットの魅力に気づいたことでしょう。
 シニアネットに関連するプログラムは、表1スケジュールを参照して下さい。このプログラムの中では、次のような活発な交流が行われていました。
 これらのプログラムを通して、多くのシニアへのITへの認識の広がり、シニアネットの活性化が図られたことと思います。

(1)全くの初心者向けに「達人コーナー」と名付けたコーナーを設けました。このコーナーでは、インターネットの利用によって、この様な楽しいことが出来るという数々のデモが行われました。例えば、ジャンボジェットの操縦(シュミレーション)とか、インターネットを利用した囲碁対局等、楽しいデモが並んでいました。

(2)多少メール交換等を始めた人には「よろず相談コーナー」を設け、多くの来場者が相談に訪れていました。

(3)九州ブロックのシニアネット7団体と仙台、沖縄と全国から6団体の代表者が一同に会し、「九州シニアネット会議」が行われました。それぞれの団体の活動理念・活動紹介が行われ、本音の問題点の披露がありました。九州ブロック内においても7団体のメンバーが一堂に会する機会はこれまでになく、これから交流が深まっていくことが期待されます。

(4)上記において議論された内容をさらに深める議論の場「ワークショップ」が4団体の発表・討論という形で行われました。

 このイベントは地元西日本新聞の全面的な支援のもとで開催され、NHKテレビの全国放送にも取り上げられるなど、マスコミの方々の関心は当初の予想を遙かに超えるものでした。全国の多くの方々がシニアネット活動に興味を持たれたことと思います。また、アンケート調査等によってシニアからのご意見も多数吸い上げる事が出来ました。

 今後この種のイベントを全国に展開し、シニア世代の活性化に貢献したいと考えています。

写真1 関係者によるテープカット
写真2 シニアネットワーカーによる
「ワークショップ」

表1 シニアフェスタ・プログラム
11月17日  
 ゴスペル (後藤素子講師)西日本新聞TNC文化サ―クルメンバーによる
 太極拳 (倉重たかこ講師)西日本新聞TNC文化サ―クルメンバーによる
 フラメンコ (マハ・フローレス講師)西日本新聞TNC文化サ―クルメンバーによる
 俵万智・弘兼憲史トークイベント
 バリアフリー討論会 インターネットやパソコンの利用がバリアフリー、活力化の道具になりうるのかを考える。
 健康セミナー 『ピロリ菌から胃を守る』
 九州シニアネット会議 *クローズイベントです。
 交流会 *クローズイベントです。
 シニアのための『よろず生活相談』
 遊びの達人 (パソコン・インターネットを使って)年賀状、美術館めぐり、デジカメ、囲碁、ビデオ編集、ゲーム、
  音楽、ガーディニングなど 展示室
 音声パソコン (ハーネスみなわ) 第二会議室
11月18日
 シャンソン、ものまね 歌って踊って シニアネット久留米メンバーによる
 大正琴 (桑原 順浜子講師)西日本新聞TNC文化サ―クルメンバーによる
 フラダンス (清水 元子講師)西日本新聞TNC文化サ―クルメンバーによる
 高木ブー ウクレレでハワイ気分
 LUKYミーティング LinuxなどFreeなUnixに関しての情報交換、勉強会
 健康セミナー 『糖尿病は日常の生活ケア』
 インターネットフェスタセミナー (先進事例研究会)
 仙台パソコンクラブに学ぶ
 ラーニングセンターの作り方
 生活情報アドバイザーセミナー
 三鷹のシニアSOHOに学ぶ
 遊びの達人 (パソコン・インターネットを使って)年賀状、美術館めぐり、デジカメ、囲碁、ビデオ編集、ゲーム、
  音楽、ガーディニングなど
 音声パソコン (ハーネスみなわ)

 NMDA-Topページへ 研究成果Indexへ htmlmokujiへ