「倫理綱領に抗議します」に対するコメント

                         平成8年4月4日
                         電子ネットワーク協議会

(1)倫理ガイドラインの必要性
 当協議会は、パソコンネットの事業者やネットワークに関わる各企業が、ネットワーク上の諸問題を業界として解決するために活動している団体であり、会員組織である。
 ネットワーク上の諸問題として、通信販売を装った詐欺やウィルスを流すなどの犯罪行為、猥褻図画の提供などの公序良俗に反する行為、他のユーザーのプライバシー暴露や誹謗中傷などの人権問題、著作権侵害が実際に発生している。
 パソコンネットの規模が大きくなり、インターネットとシームレスに繋がり、社会インフラとして広く利用されるようになりつつある現在、上記のような倫理問題を放置しておけば、事業者にも将来的に法規制が及ぶ恐れがあると考えられる。

(2)電子ネットワーク協議会の活動
 当協議会では、そのような状況下でネットワーク利用を発展させるためには、事業者による自主ガイドラインが必要であると考え、事例研究・討議を重ねてきた。
 平成5年度は、パソコン通信における個人情報保護のガイドラインを作成した。平成6年度からは、基本問題分科会において、倫理問題の自主ガイドライン作成を目標に事例研究を進め、平成7年度に、パソコンネットの運営者向けの「電子ネットワーク運営における倫理綱領」と、ユーザー向けの「パソコン通信サービスを利用する方へのルール&マナー集」(以下、自主ガイドラインと略記)を作成した。

(3)報道発表の目的
 自主ガイドラインは、電子ネットワーク協議会の平成7年度の活動成果であるため、会員企業などに直ちに配布した。同時に、会員以外の一定規模以上のパソコンネットや主要インターネット・プロバイダにも、参考資料として送付した。かつ、この活動成果を企業内ネットや草の根ネットなどで参考にしてもらえるように周知する目的で報道発表したものである。

(4)撤回要求に対する見解
 自主ガイドラインは、電子ネットワーク協議会の活動として基本問題分科会においてコンセンサスをとりながらまとめたものであるので、会員は尊重すべきであるが、会員以外には、あくまでもご参考という形で送付しており、当然のことながら利用は自発的に行われるべきものと考えている。
 倫理は幅のある問題であるので、より良くするための外部からの批判は歓迎しており、今後のバージョンアップ活動の中で参考にできる部分は活かして行きたいと考えているが、言論の自由の観点から、「倫理綱領に抗議します」における撤回要求は理解に苦しむ。


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