3. 実装規約の全体構成

3.1 全構成項目の概要

以下、密着型ICカードとリード・ライト・ユニットを大分類として、それぞれを構成する機能項目の概要を示す。

3.1.1 密着型ICカードの全構成項目の概要

大分類である密着型ICカードを表3.1 に示す9つの機能に分類し、各機能毎に実装規約を策定する。以下では、表3.1 に示す9つの機能を中分類と称する。

また、中分類における機能の相互関係を図3.1 に示す。

表3.1 大分類「密着型ICカード」を構成する中分類
大分類中分類中分類概要
密着型ICカード非接触電力伝送機能リード・ライト・ユニットと密着型ICカード間において電力を伝送する機能である。アンテナ・コンデンサ機能を含める。
非接触信号伝送機能リード・ライト・ユニットと密着型ICカード間においてアナログ信号を伝送する機能である。
クロック生成機能クロック信号を生成する機能である。
リセット信号生成機能リセット信号を生成する機能である。
ディジタル信号処理機能ディジタル信号を処理する機能である。
データ伝送処理機能初期応答・キャラクタ・ブロック等を生成送受信する機能である。
コマンド処理機能コマンドの種類を判定実行する機能である。
ファイル生成・管理機能ファイル・レコード等を生成、選択、参照する機能である。
セキュリティ機能個人認証・キー設定・暗号化等を処理する機能である。


中分類における機能の相互関係1
図3.1 中分類における機能の相互関係

3.1.2 リード・ライト・ユニットの全構成項目の概要

密着型ICカードに倣い、もう一つの大分類であるリード・ライト・ユニットを表3.2 に示す2つの機能に分類し、各機能毎に実装規約を策定する。以下では、表3.2に示す2つの機能を中分類と称する。

また、中分類における機能の相互関係を図3.2 に示す。

表3.2 大分類「リード・ライト・ユニット」を構成する中分類
大分類中分類中分類概要
汎用リード・ライト・ユニット非接触電力伝送機能リード・ライト・ユニットと密着型ICカード間において電力を伝送する機能である。
非接触信号伝送機能リード・ライト・ユニットと密着型ICカード間においてアナログ信号を伝送する機能である。


中分類における機能の相互関係2
図3.2 中分類における機能の相互関係

3.2 各構成項目に対する整理視点

各構成項目は、機能の概説とその機能が従うべき仕様の大きく2つから構成する。ここでは、そのうちの仕様に関して、目的、定義に合うように整理する視点について、2.2 の概念図を用いて検討する。

まず初めに、国際標準規格に準拠することより、各機能ごとにその仕様を明示する必要がある。その仕様は、実装規約の基本にするという意味で“基本仕様”という整理視点とする。

次に、実装規約の目的に沿って規約として共通化すべき仕様があるが、その仕様は基本仕様を拡張するという意味で“拡張仕様”という整理視点とする。ただし、この中にはメーカ各社の独自の仕様として残すべきことがあるため、拡張仕様に含めるか否かという検討が必要であり、その結果拡張仕様には含めずにメーカ独自の仕様とする時には、参考に挙げるという意味で“参考”という整理視点とする。

以上、実装規約の目的、定義に沿った整理をするために、3.1で挙げた各構成項目ごとに、“基本仕様”、“拡張仕様”、“参考”の3つの整理視点を設ける。

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