公衆回線を使った動画通信で離島・本土間の一体的街づくりの実現

◆システム概要
 離島あるいは中山間地域にあっては、高速回線を敷設し使用するコストは膨大となり、実際的ではない。本システムは、高速回線を必要としないビデオオンデマンド送信を基本機能に、デジタル生活空間の創造を目指すものである。
公衆回線で行うビデオオンデマンドシステムと、多地点での同時双方向のコミュニケーションシステムであるテレビ会議システムを連携させ、ローコストに地域のデジタルコミュニティを形成する。



◆事業計画
 今回の開発・検証事業により開発されたシステムを発展させていくため、鳥羽市とアプリケーション・リサーチ株式会社が共同で、本検証を通して得た成果や問題点を踏まえ、本システムのコンテンツの充実化を図っていく。


◆開発の背景・目的
 三重県鳥羽市は山地が海岸部まで迫り平地に乏しく、また海岸部はリアス式海岸で出入りの変化に富み、有人離島を4島保有している。そのような中で、過疎化、高齢化、少子化など社会生活の多様化が進み、離島中山間地域では児童生徒数が減少し、同一学年の仲間とのコミュニケーション不足を顕著に作り出している。
 また、地理的、自然的条件から本土との情報格差が発生している。このような背景の元に、本システムでは、離島間あるいは離島と本土間の情報交流を活発にし、地理的ハンディキャップの克服を目指した。


◆システム開発・システムの特徴
 高速回線の準備されていない地域にあっても、ビデオオンデマンド送信を可能とするため、従来のビデオオンデマンドサーバ機能に、新たに、テレビ会議システムとの連携機能を付加し、ISDN回線での送受信を可能とした。


◆開発内容
 ●ビデオ配信管理機能
 ●VODインターフェース機能
 ●テレビ会議インターフェース機能
 ●ユーザ管理機能


◆システム検証
 ●ネットワーク・エデュケーションシステムの検証
 ●双方向防災情報システムの検証
 ●行政情報の双方向性をもった伝達・意見交換に関する検証
 ●管理作業に関する検証


◆今後の展開/普及計画
 今後は、ビデオコンテンツの登録、メニュー体系の整理とコンテンツ品揃えの拡充およびコンテンツ作成計画の立案と実施計画の策定をしていく予定である。これによって、教育、行政、防災の面だけでなく、地域の生涯教育、地域産業の分野でも本システムの活用が見込まれ、地域の活性化に大いに貢献できると考える。
 また、防災システムとの連携も協議していく。防災、広報への活用に関しては、設備の充実や設置場所等を考慮することによって、今後、活用の幅が広がっていくことになる。
 以上のように、いろいろな課題を乗り越えながら、さらに本システムの導入校および導入地区の拡張を目指す。

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