e-Japan重点計画のもと、政府全体が業務のIT化への取組を強めており、電子申請、電子調達、統合的文書管理など電子政府の基礎となるシステムの開発が進んでいる。しかしながら、RFPの質の改善やその後の開発・運用におけるプロジェクトマネジメントの実践といった面で、様々な課題が顕在化してきている。 それらの課題に対応するためには、業務・システムの最適化戦略である「エンタープライズ・アーキテクチャ」の構築とその政府調達プロセスへの反映が極めて重要である。 本セミナーでは、具体的なパイロットプロジェクトの成果等を含め、最新の取り組み動向を紹介する。 |
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◆日 時:2003年7月9日(水) 13時30分〜16時30分 ◆会 場: 六本木アカデミーヒルズ 「ステップルーム」 地図はこちら 東京都港区六本木6-10-1 東京・六本木ヒルズ森タワー49階 TEL:03-6406-6220 ◆主 催:財団法人ニューメディア開発協会 ◆プログラム: |
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13:00〜 | 「受付開始」 |
13:30〜14:00 | 「電子政府を巡る最近の動向」 【講演概要】 本講演では、平成15年度末を目途に現在構築されている電子政府について、最近の動向を紹介する。具体的には、GPKIや公的個人認証サービスなどの政府認証基盤の構築状況とその課題、ASP導入ガイドラインの必要性、政府調達の見直しなどについて解説する。特に、本年度内に構築が完了するGPKIについては、官職証明書の利用数に対する費用を減じることやシステムのリライアビリティを向上する方策などについて考察する。さらに、電子自治体の構築に関する留意点などについても解説する。 ![]() 大山 永昭氏 【略歴】 1982年、東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報工学専攻博士課程終了。1983年、同大学工学部附属像情報工学研究施設助手。1988年、同大学工学部附属像情報工学施設助教授を経て1993年、教授となり、2000年4月同大学フロンティア創造共同研究センター情報系研究機能教授となり現在に至る。 専門分野は医用画像工学、光情報処理。工学博士。IT戦略の今後のあり方に関する専門調査委員会(内閣官房)委員他を務める。 |
14:00〜14:30 | 「政府調達改革の動向」 【講演概要】 次期電子政府構築計画では、情報システムの導入は、行政サービスの向上と行政事務の効率化をその目標としている。これらを実現するため、行政手続きの可視化とベストプラクティスの流通を促進するための手法と組織として、エンタープライズアーキテクチャ(EA)手法とCIO補佐官の設置を行う。経済産業省では、そのもととなったアイデアの作成、パイロットプロジェクトなどを行い各府省と連携して、実行的な計画として練り上げ、5月30日付けでCIO補佐官を設置した。その背景と経緯、次期計画において期待されるその働きなどについて、解説する。 ![]() 牧内 勝哉氏 【略歴】 1959年札幌市生まれ。電子工学修士号を取得後、通商産業省(当時)に入省。情報産業政策、技術政策を主に担当。1992年産業構造審議会新映像産業小委員会報告書「人間情報社会構築に向けて」において、日本全国にマルチメディア支援センターを設立することを提言し、全国十数カ所で整備。また、1998年に実施した先進的アーカイブ整備事業において、高画質デジタルの歴史、文化、自然などの映像製作事業の指揮をとった。2000年にアムステルダムで開催されたWWW9Culture trackにて日本のデジタルアーカイブ状況について招待講演。欧州のデジタル文化遺産プロジェクト「メディチ・フレームワーク」に関与。現在、経済産業省において電子政府とインターネットを担当。 |
14:30〜15:00 | 「エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)の概要」 【講演概要】 米国政府ではIT投資の有効性を高めるために、知的資産としてのエンタプライズ・アーキテクチャ(EA)が重要視されている。個別府省における試みの段階を経て、現在、全政府を見据えた最適化の方針作りを行う実務的適用の段階にまで進化してきている。今年度から、我が国政府においても同様の試みが開始された。民間ベースでも活用を推進していくことがこれからの課題である。 ![]() 松尾 明氏 【略歴】 ITコーディネータ、公認情報システム監査人(CISA)、公認会計士(日本及び米国ニューヨーク州)。中央青山監査法人代表社員。 現在、経済産業省「ITアソシエイト協議会」委員、ITガバナンス協会(ITGI)戦略委員会委員など。また、内閣高度情報通信社会推進本部制度見直し作業部会委員、及び電子商取引等検討部会委員、情報システムコントロール協会(ISACA)国際本部会長、同財団理事長などを歴任、グローバルな視点から提言活動を行う。 |
15:00〜15:30 | 「休憩」 |
15:30〜16:00 | 「パイロットプロジェクトの成果とCIO補佐官の役割」 【講演概要】 政府におけるIT調達の改善を図るために、ITアソシエイト協議会の中間報告とその提案が平成14年11月にパブリック・コメントを求める案件として経済産業省より公表されたが、翌12月より15年3月まで経済産業省のパイロッ ト・プロジェクトとしてエンタープライズ・アーキテクチュア(EA)の実践を4作業部会を通じて試行し、成果物を提出し、その後の電子政府構築化計画の業務・システムの最適化計画を進める基盤となってきている現状とその推進体制として整備されつつあるCIO補佐官の役割について紹介を行う。 ![]() 野村 邦彦氏 【略歴】 1942年10月19日生まれ、東京都出身。東京大学工学部電気工学科卒業、同大学院工学系電子工学修士課程修了、米国ノースカロライナ大学大学院計算機科学科 博士号(Ph.D)取得。1968年:日本IBM株式会社入社。1999年:日本IBM株式会社開発製造担当副社長技術補佐、IBM技術アカデミーAP担当VP(全IBMの技術系トップ・リーダーで構成) 、TEC-J会長(日本IBMでの技術系リーダーのコミュ二ティ)。2002年:同社を退職し、経済産業省EAパイロット・プロジェクトの技術アドバイザー、2003年4月:ニューメディア開発協会で主幹研究員として経済産業省のCIO補佐官の役割を始め、現在に至る。 |
16:00〜16:30 | 「行政サービスとICカードの役割」 【講演概要】 電子政府において、官職にある公務員が公印に相当する電子署名を行う際に使用するカード、職員が決裁の際に電子署名を行う際に使用するカード、企業など法人が電子入札に参加したり電子申請を行う際に使用するICカード、住民基本台帳カードのように住民が住民票を請求したり電子申請を行う際に使用するICカードなど、様々なICカードが使われる。このようなセキュリティを確保するための重要な構成要素であるICカードの動向を解説する。また、ニューメディア開発協会の非接触ICカード普及センター(CLIC)における住民基本台帳カードの発行、互換性検証などの事業内容についても紹介する。 ![]() 国分 明男氏 【略歴】 電子技術総合研究所(現在は、独立行政法人産業技術総合研究所)において、連想記憶マシンなどのコンピュータシステムの研究開発を20年以上行う。1990年から財団法人ニューメディア開発協会理事・開発本部長。2000年から常務理事・開発本部長。電子公証システム、レイティング/フィルタリングシステム、原本性保証電子保存システム、汎用電子申請システム、次世代ICカードシステムなどの情報化社会に おける基盤的システムの開発を推進。 |